ドイツでずっと暮らす

ドイツ移住の10年先、20年先を考える。



ドイツの登山、あれこれ

8月のバカンスは友達を誘ってアルプス山脈の端っこに登山&キャンプ。しかもみっちり10日間。ドイツ人は1週間以上バカンスしないと気が済まない。理想は3週間なんだそう。今回は山友達と一緒だったので宿泊はキャンプ場と山小屋だけ。ここにアウトドアをしない人が加わるとペンションだのホテルだのっていう面倒いことがあるけれど、今回は日頃から野宿で鍛え上がっているメンバーだったので楽チン。

 

行き先はAllgäuというドイツではメジャーな登山エリア。登山だけじゃなくロードバイクや避暑地としても有名。

 

テレビでよく特集されているのでいつか行ってみたいなぁと思っていました。地図を見たらわかるのだけど、アルプス山脈と言っても公共交通機関もしっかり通っているし冬はスキー場となるのでゴンドラだってたくさんある。山の深いところに行きたかったのだど、どこかしら小さな街が点々としているので深くて一人ぼっち...みたいなこともなく、山の中はあっちこっち酪農家があるので牛やら羊やら馬やらで賑やかな山の中っといった感じ。アルプスの少女ハイジの世界ではあります。

 

f:id:Wasserkoha:20170913220534j:plain

 

Allgäuはドイツとオーストリアの国境にあって、今回私たちはその辺をウロウロしていました。気が向いたらキャンプ場へ戻ったり、山の中へ入ったりの繰り返しで特に目的地を決めるわけでもなく天気と相談しながらウロウロするのがドイツ人的な登山スタイル。ピークハントやトレイルランをしている人も中にはいるけれど、特にピークハントはクライミング装備と技術が必要な頂上が多いのでそういう人たちはゴンドラで高度を一気に上げてクライミング装備だけ、という軽装で山の中に入っていきます。私は日本で登山をはじめた人なので、特に高度のある山はピコシェルターとか雨具とか色々と必要なものという意識が強く、山小屋でも45リットルのザックがいっぱいになるほどでした。けれど実際に山ですれ違う人々は山小屋泊でも日帰りデイバックのような軽装で中には着替えはおろかクッキーと水しか入ってない、という人がほとんどだったのです。その理由はやはりところどころに小さな街があるということじゃないかと思うのです。例えば日本の北アルプスの雲の平に行こうものなら最低でも2日はかかるし、それまでかろうじて山小屋があるくらい。けれどAllgäuに限っては気が向いたらいつでも下山できる、という条件が揃っているのです。それはAllgäuだけではなくドイツの山は比較的そういう場所が多いのです。さらにアルプスの地域は原則、野宿禁止です。それでも私たちは今回1度だけ目的地の山小屋にたどり着けずにビバークしましたが...

 

ビバークをしなければならない、と判断したときに山の中に住んでいる酪農家さんと出会いました。彼から聞いた話しによると夏の期間は特に日が長くて夜も比較的寒くないということもあって野宿をしたり焚き火をする人が居るんだそう。それをSNSで公開して人々がさらに集まり、という悪循環がここ数年続いているせいもあって特にドイツ領ではアルプス内の野営を取り締まっているとのこと。酪農家さんたちは山の中に住んでいるので日暮れが近づくにつれて自分たちのエリアをパトロールし、不審な人がいたら警察に通報していると教えてくれました。いや、まさに私たちがその不審な人たちだったのです。なんせ、プランミスで山小屋にたどり着けなかったのですから。この時はすでに20時。日の入りが21時半なので行動しようと思えば22時までイケるのですが、もうさすがにしんどいのでビバークを決断。そして酪農家さんと出会いました。事情を話して、通報しないでほしいと伝えドイツ領では罰金が500€(58000円くらい?)だからオーストリア領へ行けば良いよと。ビバークをしているところにヘリがやってきて、おいお前ら何してる野営禁止だぞ罰金払え、っていうのは勘弁願いたいところ...なのでヘッドランプも点けずにご飯を作って湧き水で水を確保し、エマージェンシーシートを敷いて就寝。雨がパラパラと何度か降ってきたけれど、ピコシェルターがあったのでなんとかしのげました。

 

難しいのが地図読みと行動時間の確保。ドイツの登山地図には時間表示がないのでここからここまで何分、という計算が全くできません。しかもところどころにある標識が本当にでたらめで、登山口には頂上まで登りで30分と書かれているのに 頂上から登山口までの下山は4時間って書かれてる。登山地図もなかなか適当で、全然危険じゃない場所に危険!と書かれていたり。それで今回思ったのが、ドイツ人は日本のような本格登山スタイルではないということ。2500mを超える山でも日帰りが基本。縦走は途中で街を挟むのが前提で、装備は最低限のものだけ。山小屋にはシャワーだってあるくらい。なんだか物足りないなぁとは感じるけれど、無理に自分の負荷を増やすよりかは色々なものに頼ったり利用しながら便利に休暇を楽しむ方が負担がなくて楽しいというのがドイツ人の登山スタイル。山小屋でさえ定員オーバーになればお客さんを追い出すことだってしばしば。追い出された客は下山するしかないけれど、下山してしまえばペンションだってあっちこっちにあるし車道があればタクシーだって呼べるし。特に夏の間は日照時間がめちゃ長いので行動時間が長くとれるので、これからはもう手ぶらで登山しようと決めました。ドイツ人の合理的な性格はこういうところにも表れていて、自然を大切にするということと、自分の生活の中にある必要なものは無理に放棄しなくても良いという姿勢とでも言えるかなぁ。