ドイツでずっと暮らす

ドイツ移住の10年先、20年先を考える。



プラハの中心地で車が無くなるという事件

プラハへ車で日帰り旅行、そして車を警察にレッカーされるという出来事がありました。

 

寝起きの思いつきでプラハへ出発し、ドイツとチェコの国境を越えた瞬間に交通ルールとドライバーのメンタリティーが全然ちがうことに驚きます。ドイツならきっと怒るであろう小さな出来事もチェコならそれがコメディに感じられ笑うことができるのです。

 

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曲がってしまった標識。チェコには至る所に曲がったり、車両が突っ込んだ痕などがあるのも面白い。

私と夫はのんきにチェコ人って面白い運転のしかたするよねぇ、とか地形がドイツとはやっぱりちがうよねぇなんて言いながらプラハへ到着し市内の駐車場に車を止めて、駐車チケットをちゃんと買って、観光へでかけました。

真夏日、観光名所、人ごみ、ということで2時間もしないうちにギブアップ、どこか自然のある街に逃げようと駐車場へ戻ると、私たちの車がありません...車が、ない。ここに停めたはずなのに、他の車が止まっているではないか...大パニックを起こし目の前にあった大きな建物の中に飛び込み、誰か助けて〜と右往左往するも老人ばかりで英語もドイツ語も通じず、これじゃらちがあかないので道端に座り込んでアイスを食べていた若いカップルに話しかけると男性がドイツ人だったので警察に電話をした方が良いねと教えてくれました。警察に電話をしてみると私たちの車が見つかりました。警察は、理由はわからないけどあなたたちの車はどこどこの管轄で預かっているのでそこまで取りに来てくださいとのこと。理由はわからない!っておい、警察、ふざけてるのか?!と言い返したくなるのを我慢し、多分ただの電話番なのだろうと思い警察署へ向かうことに。

 

これが詐欺やただの嫌がらせの可能性もあるので警察へ向かう前にプラハのドイツ大使館へ連絡し事情を説明し、警察ではどのように態度を振舞えば良いのか、罰金やチェコの交通ルールはどうなっているのか、などなどを教えてもらいました。大使は第一声に、「残念としか言えないのですよ、たくさんのドイツ人が同じようなケースで車をレッカーされているので」と言い、市内での駐車ルールを教えてくれました。本来なら出かけてくる前に予備知識として頭に入れておくべきことなのだと大反省。スペインに住んでいる友達が似たような体験をスペインですることが多く、その理由は警察が自分のおこずかい欲しさに理由もなく違反切符を切ったりするという話を聞いたことがあったので、もしやチェコでも?!と思った私が夫に大使館へ連絡するように勧めたのです。

 

警察に到着すると私たちの車がまるで監獄に閉じ込められているかのように、鉄格子のフェンスの向こうに停まっていました。窓口に座っていたのは口の周りをチョコレートの染みがぐるっと囲っている太った男。罰金は2150csk、86€ほど。色々と手続きを終えた後にそのチョコレート男が言ったのは、「僕はただの窓口だからこんなことが言えるけれども、毎日のようにドイツ人の車がレッカーされて罰金を支払わされているし実際にドイツ人がお金持ちという偏見でむやみにレッカーする同僚を知っているし、僕はそのことについてとても心を痛めている...」私と夫は同時に愕然、言葉を失うしかありませんでした。

 

国境がないということは本当に素晴らしいことです。誰でも自由に行き来し商売したり、観光したり。けれどやはり国と国をまたぐとそこには別世界が広がっていて、貧富の差のヒエラルキー、差別、偏見、国の違いはなかなかその境界を超えることができないというのを身を以て体験しました。それは私たちがドイツに住んでいて東欧の国々からしてみれば経済的に豊かな国で、政治の腐敗も少なく警察も庶民の味方であるということだけでも十分に人の妬みをかう理由になりうるということも。警察が嫌がらせを庶民にする、というのはドイツでは考えられないことですが、実際にイタリア、スペイン、ギリシャでは腐敗した政治とその犬、と例えられるほどでそれらの国に住む人々は警察は庶民の敵、と口癖のように言います。私は日本で育ったので警察は庶民の味方で正義という思い込みがとても強いですが、ドイツ人の夫も私と同じように警察は悪い奴、庶民に嫌がらせをするというのはなかなか信じがたいのです。

 

結論からすれば、私たちが駐車したゾーンはチェコナンバー専用でそれ以外は問答無用で駐車禁止とのことで私たちが悪いので今回の罰金は授業料だと受け止めることにしました。しかし最後のチョコレート男の言葉が私たちをなんとなくモヤモヤさせるのです。

 

私と夫は旅行ひとつしてみても何だか奇妙な出来事が起こる星というのを持っていて、特に夫の方はその磁力がとても強く私と夫が二人で遠出しようならば、韓国では犬料理店で犬を締める場面に遭遇したり、ギリシャでは乗っていた市営バスが道に迷ってしまったり、ブルガリアでは携帯を4つ同時に操作する運転手が山道の崖をマニュアルで運転してリアルジェットコースター以上の恐怖を体験したり、とにかくまぁ数え切れないほどの不思議な出会いと体験が色々と待ち受けているのです。にもかかわらず、私と夫は出かけるのが大好きで、7月の頭からは10日間ほどヨーロッパツアーに出る計画を立てています。さて、次はどんなことが待ち受けていることやら...