ドイツでずっと暮らす

ドイツ移住の10年先、20年先を考える。



ヨゼフとキャンピングカー

赤の他人のキャンピングカーに、コーヒー飲むかい?と誘われる出来事がありました。それはキャンプ場での出来事でもなく酔っ払った勢いでもなんでもない、昨日までは赤の他人だった、たまたま車中泊した場所で隣に停まっていたキャンピングカーの主人が 朝起きたら私たちを朝食に誘ってくれたのです。主人の名はヨゼフ。何十年も前にチェコから移住してきたドイツ人です。

 

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私たちの車は普通の乗用車だけど後部座席を取り外しそこに寝袋を敷いて寝泊まりをしながら旅をしていました。旅といっても聖霊降臨祭の連休中に予定もゴールも決めずに、とりあえず晴れている場所に行こうということで自宅を飛び出しました。毎年この連休は天気が崩れることが多く、今年はベルリンでひどい暴風雨があったそう。最初の1日目はドイツの真ん中らへんにあるHarzという森で車中泊をし、次の日天気が良さそうな北の海辺へ出発しました。コーヒーと朝食をご馳走になったのは、最終日の海辺で出会ったキャンピングカーのご主人、ヨゼフでした。

 

日暮れ近くヨゼフたちのキャンピングカーの近くに私たちの車が停車し、私たちが忙しそうに荷物を積み直したり色々と何かをしているなぁと観察していたんだそう。そしてそのまま日が暮れて私たちが車の中で寝泊まりをしている、と気がついた時にヨゼフはなかなか勇気のある人たちだなぁ、と思い朝食に招待することにしたんだと言っていました。ドイツではキャンピングカーはとてもポピュラーなものでバンやワゴンをDIYして車中泊するのは珍しくないけれど、さすがに乗用車でする人は少ないのかな。ドイツ人は体格が大きめだからまず入りきらないだろうし...

 

朝食はドイツ式でキャンピングカーの中にはもちろんガスキッチンが装備されていてそこでヨゼフの奥さんが茹でたまごを作ってくれました。車で走っているとこの時期は特にキャンピングカーをとてもよく見かけるので中はどうなってるのだろう?と興味深々だった私たちにはまるで夢のような時間でした。

 

ヨゼフはチェコで生まれ育ったドイツ人でその奥さんはポーランドからドイツに移住してきたそうで、もう何十年もドイツで暮らしているので二人ともドイツ語がとても堪能でした。彼らは音楽が生業でもう若くないので色々のんびり旅をしながら暮らしているんだそう。彼らは 東欧の国からやってきたので、たまに西欧の人々の資本主義てきな考え方や価値観に驚くことが多く、そればかりはいくら年を取っても慣れないと言っていました。私たちも似た様な考えを持っているので会話はとても楽しくて、この人たちとは年齢が離れているけれど波長が合う心地よさを感じました。

 

それからヨゼフと奥さんは夏に一度、自宅に遊びにおいでと言ってくれて私たちは来月に一度彼らの自宅へ遊びに行く予定を立てています。

 

車中泊はなかなかしんどいです。天気が悪ければ車から出ることはできないし、私有地で泊まるわけにはいかないし、駐車場は若者がたむろしていたりと色々と寝床に困ることが多くそのことで夫と私は幾度も言い合いをしました。最終日にヨゼフの隣に決めるまでいくつもいくつも転々としながらやっとそこにたどり着いたのです。そして赤の他人に朝ごはんを招待してもらうという素敵イベントが発生し、この夏の楽しみがまた一つ増えました。